前回、欠陥の法律上の取り扱いは,
「欠陥現象」と「欠陥原因」の二つの概念があるとお話ししたことの説明です。
【欠陥現象】
一般的にお施主様が主張される
「#雨漏りしている。」
「#ビー玉が転がる」
「#扉が閉まらない」
「#床下に水たまりができている。」
などの目に見え、体感している状態を言います。
よくテレビなどで見られるのは、この『雨漏りによって酷い状態の我が家』で、
見ている視聴者に強烈なインパクトを与え、同情を芽生えさせます。
【欠陥原因】
現象が生じている原因を指し、上述で言えば
「#防水層の破断」
「#建物の不同沈下による傾斜」
「#構造耐力の欠如による変形」
「#床下配管の外れ」(※これら他の原因も考えられます。)
などを指し、法律上の欠陥(#瑕疵 と言います。民法改正により契約不適合と変わりました。)とは、こちらを指して言います。この原因をテレビで放映しても、『建材が破れている。』だけですから、インパクトはなく同情もしないでしょう。
すなわち、お施主様が一般的に言われる「こんなにひどい雨漏りがある。」
「床下がびちゃびちゃで異臭がする。」と現象を声高に訴えても、裁判上では何らの意味を持ちません。重要なのはその原因なのであって、その原因を直す費用、原因によって生じた損害を回復させる費用、それらに付帯的に発生する引っ越しや #建物検査に要した費用、そして一部ですが、#弁護士費用 、わずかですが内容によっては慰謝料の請求が初めて可能となり、評価されることになります。
お話しがそれてしまいますが、ハウスメーカーなどは長期の保証を魅力的に謳い文句にしています。しかし、現実に行われる補修は、大々的に破壊して根本から直すという事をしてくれるのではありません。簡易、安価にできる補修にて、現象が生じなくなるまで小手先のことを繰り返してくれるだけです。
もし大きな破壊を伴う問題が生じた場合には、全力で認めません。
その時の資金力、組織力の大きさを背景とした抵抗は、すさまじいものがあります。
大手ハウスメーカーに依頼するメリットというのは、建築中に会社がつぶれる心配がなく、
一応、完成までは辿りつける可能性が高いという事の一点です。
欠陥についてはこの辺にしておきます。
#ホームインスペクションを依頼するにあたって、まずは、欠陥には二つの概念があるという事をご理解ください。
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