ホームインスペクション会社の選び方 その9

 さて、前回は欠陥住宅紛争のお話しを少しさせていただきましたが、

主旨は「ホームインスペクション会社の選び方」ですので、今回は、もう少し掘り下げたいと思います。


 その前に、建物は建築過程で行政から委託された第三者検査機関や瑕疵担保保険法人による中間検査、完了検査が行われます。宣伝文句に「ダブルチェックされているから安心。」「検査で問題は無かったお墨付きをもらっている。」というものがあります。残念ながら、これら検査は部分的な抜き取り検査に過ぎず、全数チェックを行うものではありません。実際、検査時間など都度15分程しか行われない程度のものでしかなく、雨漏りや倒壊が起きない、ましてや手抜き工事がないと断言をするものではありません。つまり、これら検査が行われたことによって、欠陥の有無が確認されたという事ではないと認識いただかなければなりません。



 さて、お話しを戻して、「欠陥住宅ではないか心配だから調べてもらいたい。」とした場合の、この「欠陥」をどのように捉えておられるでしょうか?

これまでお話したように「欠陥」には「原因」と「現象」がありますから、ご要望がどこにあるのかご依頼者様の考え方次第、その心配の軽重次第と言えます。つまり、欠陥を原因と考えているのか?現象を指しているのか?まずは、そこの判断をされることが第一歩ではないでしょうか。

 そのようにお話するのは、「欠陥」の表現には個人差、温度差があります。わずかな隙間や曲がりなども気になる方から見れば欠陥に値するものであっても、機能的な問題を欠陥として捉えられる方から見れば、隙間や曲がりが機能に影響を及ぼさない限り気にされません。

 では、わずかな隙間などは法律上の欠陥にあたるのか?機能的な問題は欠陥にあたるのか?これについては欠陥住宅検査寄りのお話ですのでここでは簡単にしますが、隙間が生じているという事実、機能的な問題が生じている事実、それは現象を指すものであって、直ちに法律上の欠陥であると言い切ることはできないものです。以前にお話ししたモルタル外壁のひび割れと同じで、それ自体は現象を指しているのですから、ホームインスペクションとしての「欠陥原因を内包する恐れがある。」というところにあたります。すなわち、欠陥に対する個人差はありますが、現象自体を指している限りは法律上の欠陥ではありません。




欠陥原因も現象もその対象は非常に広いので、もう少し具体的にお伝えします。


例えば「雨漏りが心配だ。」としたとき、

 1. 雨漏りが生じていないか心配。

 2. 雨漏りを生じさせる施工がないか心配。

 3. 雨漏りが生じる施工が心配。


などが考えられます。この3つを具体的に分類すれば、


1.「雨漏り」という現象が起きていないのか?ですから、現象を見つけ出す調査です。

2.雨漏りの原因である施工の良し悪しですので、原因を見つけ出す検査です。

3.どちらかと言えば予防措置であり、目的は原因の排除をする検査です。


つまり、1.はホームインスペクション、2.3.は欠陥住宅検査に分類される感じになります。




以上、「欠陥」には個人差があること、そしてそれが法律上の「欠陥」ではなく、概ねホームインスペクションとして取り扱うべき現象を指していることのお話をいたしました。


なかなか脱線ばかりで遅々として進まず申し訳ございません。



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